虚数って学校だと二回掛けると -1 になる数字と教えられ、変な計算ばかりさせられて、結局虚数って何なのかは教わりません。社会人になっても虚数なんて一切使っていなくて、あれは一体なんだたんだろうという人もたくさん居ると思います。そこで今回は虚数ってなんだったのか、何とか説明したいと思います。
そもそもの問題は教育で、物理と数学が別々に教えられていることです。実際は物理のために数学が発展し、数学の発展から物理の新しい可能性が見つかる、というように、お互いが併走しあって発展してきたものです。なので虚数にも物理的な側面があります。
虚数が生まれた背景にあった物理課題、それは振動問題です。バネといった物質的な振動でも、電気的な振動でもどちらでも良いです。
下図の上部ようにバネの先端についた物体がびよびよと振動しているとき、これは一本の軸の上で振動しています。これを数学で表わそうとすると sin だの cos だの出てきてややこしくなります。しかし、下図の下部のように、人の目では見えない軸 (虚と書いた軸)を考え方として導入すると、実際に見えている軸 (実と書いた軸)との二軸の平面上で、くるくる円運動をしている、と表現できるのが分かると思います。
例えば、じわじわと勢いを失なって止まっていく振動も、だんだん小さくなる円運動として表現できるようになります。
もう一つ例えに、細かい振動が乗りながら大きな振動があるような問題は、こんな風に小さい円運動をしながら大きな円運動をするという表現ができます。
だからどうしたと言われるとそれまでなのですが、物理や数学やコンピュータ演算をしている人にとっては、見えない虚の世界を導入した考え方の方が、微分、積分、ベクトル演算などが簡単になるので、そういった人達の間では、その見えない虚の世界を示すために虚数が使われているということです。
二乗したら -1 なんてのは副次的な作用ですし、振動問題を数学的にコネコネしたい人にしか関係ない考え方ですし、なんで義務教育で教えるのか疑問ですね。引越しに必要なお役所の手続とか、何を得たときにどういう税金を払わないといけなのか、とかのほうがはるかに重要だと思うんですけど、中学校までに一切教わりませんね。
それでは。
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